算命学:占い独学講座

算命学を独学で習得したい方々へ、有名人の事例などをまじえながら、実践的な知識をわかりやすく解説します。noteでも販売しますので、ご活用ください。

気の運動と陰陽五行論(算命学と自然思想③)

 

算命学は、一人ひとりの役目/宿命をどのようにして知ることができるのでしょうか?

カギは、気の運動にあります。自然思想では、森羅万象=この世のあらゆるもの/ことを気の運動で説明しようとします。たとえば、まったく同じ条件下で異なる結果になった場合、科学は確率(=偶然)で説明しますが、自然思想では異なる気が流れていたからだ(=必然)とします。

「陰陽五行」という言葉をご存じのかたも多いと思います。古代中国の代表的な自然思想ですが、陰陽五行論(「論」ではなく「説」ともいいます)は「気の運動は陰陽五行の理にしたがう」と主張します。だから、その人間の気(人気)を陰陽五行で分析すればその人間のことはわかる、というわけです。

たとえば、漢方や鍼灸などの東洋医学は、西洋医学を補完するものとして近年大いに注目されていますが、その基礎の多くは陰陽五行論に拠っています。机上の空論ではなく、実効性のある理論なのです。

同様に、算命学の占技も多くは陰陽五行論に拠っています。だから、よく当たるし、その人間が持って生まれた役目も論理的に導けるというわけです。肉体の健康のための術が東洋医学とすれば、算命学は精神の健康のための術です。

陰陽五行の何たるかがイメージできないと、いまいちピンとこないかもしれないですね…。陰陽五行については次のブログで解説していくので、ご興味があれば是非ご覧ください。

yangyin.jofukudo.com

 

トンデモ思想ではないということがわかるように、陰陽五行論のホンのさわりだけですが、ご紹介しましょう。

どんなもの/ことにも陽の気と陰の気(天と地、昼と夜、暑と寒、動と静など)とがあって、陽と陰との間のバランスは絶えず動いている、だから、この世は常に変化している。これが陰陽論です。「人間万事塞翁が馬」という故事は、ご存じでしょう…あれは典型的な陰陽論の世界観です。

もうひとつ。気には木・火・土・金・水の五つの状態(水が気体・液体・固体で違った現れかたをするのと似たイメージ)があって循環している。これが五行論です。五行論には、五つの気は互いに影響しあって存在している(相生・相剋・比和)という生剋比の法則もあります。

五つの要素とその間で働く力が集まって万物が生じる。現代物理学が、あらゆる物質は17の素粒子からできていて、素粒子の間には重力・電磁気力・強い力・弱い力という4つの力が働いている(※)とするのと似ているようにも思います。

 

※昔、素粒子物理学を研究している友人に「実はまだ発見されていない第5の力があるのではないか?」と言ったら、「お前、頭は大丈夫か?!」と言わんばかりに大笑いされたことがあります。

でもね、第5の力の存在を示唆するような、理論予想と観測結果との間のわずかなズレ(ミューオンの「g-2」の誤差)が最近見つかったそうですよ…。

冥王星も、アインシュタインの相対性理論も、理論予想と観測結果との間のずれを解明する過程で発見されたんだよね?だったら、第5の力もあり得るんじゃないの?!第5の力があるとしたら、それは五行論の「土」で中心にあるもの、すなわち、4つの力を集める/束ねる/生む力だと予言しておきます(笑)。まあ、西洋占星術をやっているひとは「いや、4つでいいんだよ」と言うでしょうね…。

 

さらに、陰陽論と五行論とが結びついて、天に由来する10の気(十干、天気)と地に由来する12の気(十二支、地気)で人間の気(人気)を分析するのが陰陽五行論です(※)。陰陽五行論では、十干と十二支の組合せである干支(原子からなる分子のようなイメージ)で気の状態を表しますが、生まれた年の干支、生まれた月の干支、生まれた日の干支を並べたものがその人間の(狭義の)宿命で、これを陰陽五行論で読み解いて、「どんな人間か」「どんな役目をもっているか」などを知るのが算命学です。

 

※中国思想史では、十干や十二支は、陰陽五行論よりも前からあったとするのが通説です。だから、正確に言えば、十干や十二支を(あとから)陰陽五行論で基礎づけたということでしょう。