陽占でどんな人間かを知る
人間は、生まれると同時にその時の気を吸って、吐くことによって生命活動がスタートします。この場合、吸う気は陰占であらわされますが、吐く気は(自分を通って出されるので)吸う気とは異なります。
この吐く気を記号(十大主星と十二大従星)であらわしたものを陽占といって、吸ったものを吐くという主体的な活動にもとづくものであることから、これを読み解くことで、そのひとの精神活動=心の構造がわかるとします。そして、この構造に合った働かせかたをすると心は満たされる(精神的な幸福を得られる)のだと算命学では考えます。
たとえば、2024/1/24に生まれたひとの陰占は次の通りで、これは前回の例の陰占から導き出されたものです。
車輢星 天胡星
牽牛星 鳳閣星 龍高星
天報星 龍高星 天庫星
幸福になれるかなれないかは心の持ちようだと言われますが、物質的には恵まれなくても精神的に満たされていれば、ひとは幸福を感じるものです。陽占はそのためのカギをあらわしたもので、算命学がユニークなのは、そのカギはひとによって異なるとしていることです。
また、心の構造を知るということは、性格をはじめ、自分がどんな人間なのかがわかるということです。どんな人間なのかがわかるということは、なぜ悩んでいるのか、人生でなにをしたいのか、どんな仕事に向いているのかなど、人生のさまざまな問題を解決できる、ということです。
後天運は人生の四季
人間の持って生まれた気(人気)は、「陰占」「陽占」であらわされることを説明しましたが、もうひとつあります。後天運です。
後天運とは、時間とともに変わる人間を取り巻く気です。後天運には、10年ごとに変わる「大運」、1年ごとに変わる「年運」、1月ごとに変わる「月運」、1日ごとに変わる「日運」があって、その間はずっと同じ干支=気が流れているとします。
たとえば、2024/1/24に生まれた男性(女性は同じ生年月日でも異なります)の大運は次の通りで、これは前々回の例の陰占から導き出されたものです。なお、上に書かれている数字は、その大運がはじまる年齢をあらわしています。
77 67 57 47 37 27 17 07
丁 戊 己 庚 辛 壬 癸 甲
巳 午 未 申 酉 戌 亥 子
後天運は(持って生まれた気である)陰占の運勢や陽占の心の構造に影響を与えます。たとえば、陰占の日干(自分)にとって好ましい干支=気がめぐると運勢が好くなったり、陽占にはない十大主星がめぐるとそれまでとは違う動きかたをしはじめたり…。つまり、これを読み解くことで、そのひとの人生の流れ(ライフコース)がわかります。
たとえると、後天運は人生の四季です。
地上には四季がめぐり、生命に誕生・成長・衰退・消滅のリズムを生み出していて、それは人生にも当てはまる。そして、もっとも長い大運は、ひとによって異なる干支=気がめぐり、年運などはすべてのひとに共通だが(陰占/陽占は異なるので)影響は人それぞれだ。
これも自然思想からきていますが、興味深い仮説だと思います。そして、自分の人生と照らし合わせてみると、よく当てはまっていたり、外れているようにみえて「ああ、あれはそういう意味だったのか」など新しい「気づき」があったりします。
算命学は、なかなか奥深いものです。