算命学のベースには自然思想以外の思想(仏教や儒学、古代占星術など)もありますが、本筋ではないので解説は省きます。
人間に関することがらを自然のありかたから類推するって、科学中心の現代にあっては違和感がありますよね…アニミズムの一種なんじゃないの?!とも思ってしまいます。しかし、西洋の人間中心主義ではなくエコロジーのような視点に立てば、合点はいきます。
このような気の思想は、算命学の専売特許ではなく、古代から近代までの多くの中国思想が前提としています。中国思想では、自然は(量を測って搾取するものではなく)質を観て「いかに生きるべきか」を考えるべきものでした(朱子学が代表的)。
日本だって、江戸時代までは、陰陽五行は人びとの常識で、知識人の多くは陰陽五行論でもの/ことを考えていましたし、陰陽五行にもとづく風俗が生活のすみずみまで行きわたっていました。
現代になって(西洋科学主義の影響で)気の思想は否定されましたが、どちらが正しい/間違っているという話ではないと思います。だって、科学でわかることは(基本的に数量化できるもの/要素に還元できるものが対象だから)限られていますよね?なのに、科学によらない言説をはなから否定するのは、悪しき科学万能主義以外のなにものでもないでしょう。
それにね、算命学は(理論だけではなく)現実と照らし合わせながら宿命を観ますし、鑑定を通じて理論の実効性を確かめてきたから、役に立つ分析やアドバイスができるのです。算命学は思想(学)と占術(術)とからなっていて、思想の正しさを検証するために占術による実践(=鑑定)がある、とはじめの頃に学びましたが、このスタンスは重要だと思います。
算命学は確かによく当たりますが、単なる「当てもの」ではありません。算命学を究めることは、人間そして自分を究めることでもあるのだと思います。