算命学:占い独学講座

算命学を独学で習得したい方々へ、有名人の事例などをまじえながら、実践的な知識をわかりやすく解説します。noteでも販売しますので、ご活用ください。

算命学の目的(算命学の基本思想①)

 

このブログの有名人鑑定は、算命学をある程度知っているかた向けに書いている(通常の鑑定では専門用語は使わず平易にお話しします)ので、初学者のかたにはチンプンカンプンでしょうが、算命学が理論的な占いであることはわかると思います。

はじめに、算命学が拠って立つ「思想」について、お話したいと思います。

算命学は古代中国の自然思想をベースにしています。古代中国とは紀元前の殷・周・秦・漢の時代で、自然思想とは(簡単に言えば)次のような仮説です。

 

まず、森羅万象、すなわち、この世のすべての物質、この世のすべての現象は、気の運動によって起こるとします。

とは何かというと、とりあえず無色透明で目には見えない空気のようなものをイメージすればいいと思います。気が集まることでいろんな物質が生まれ、気が伝わることでいろんな現象が起こり、気が散らばることで物質や現象は消滅する。

気とは、空間のなかに満ちているエネルギーを持った存在で、森羅万象の生成・変化・消滅は気の運動による。最先端の科学理論とも通じていそうなユニークな仮説だと思いませんか?

 

ここで重要なのは、人間も自然の一部で自然と同じ気でできていると考えたことです。

ひとは「なぜ生まれて、なぜ死ぬのか」「どう生きるべきか」「なぜ悩み苦しむのか」など、人間についてわからないことはたくさんありますが、これらを知るには(同じ気の運動にしたがう)自然を観察すればいい、と古代中国の人たちは考えました。

そして、「なぜ生まれてきたのか」という問いには、「自然が必要としたから」だと考えました。

「生態系」という言葉があるように、この世のすべてのものは互いに関わりあって全体としてまとまっていて、どれが欠けても自然のバランスは崩れてしまいます。

また、「生物多様性」という言葉があるように、生態系のなかの生きものにしても3,000万もの種があって、同じ種のなかにも遺伝子の違いによって形や模様などが異なる多様な個性が存在しています。

人間も同じで、自然がバランスを保つために人間を必要として、それぞれの人間に異なる役目(ミッション)を与えたのだと考えたわけです。

だから、「どう生きるべきか」という問いには「自分の役目どおりに生きればよい」、そして「なぜ悩み苦しむのか」という問いには「自分の役目どおりに生きていないから」だということになります。

そして、そこからは「役目を果たしていない人間は、自然が必要としなくなくなるからこの世に存在できなくなる=死ぬ」という厳しい結論が導かれます。

算命学では「淘汰」といいますが、だから、一人ひとりに自分の役目を知らせることを大切な目的としています。

たかが占いが偉そうに…と思われるかたもいらっしゃるかと思いますが、それだけの目的を掲げて何千年も続いてきたから、理論は研かれ、現代でも多くの人びとを魅了しているのです。