前回説明した通り、国のトップにはその時の国の運勢に合った宿命の人物が就く。だから、トップの宿命を観れば、その時の国の運勢が視えてくる。特にトップの選択が国の命運を大きく左右するような時代にあっては、なおさらだ。
では、トランプ大統領の宿命を観てみよう。
ドナルド・トランプ(1946/6/14生)
己 甲 丙 08乙未
子 未 午 戌 18丙申
丑 丁 辛 28丁酉
乙 己 丁 38戊戌
己 丁 戊 48己亥
58庚子
玉 印 68辛丑
龍 貫 鳳 78壬寅
南 牽 禄 88癸卯
出世や名誉などに偏った生き方をすれば運に恵まれる宿命(支合・半会による殺印相生格)だが、実際はどうだろう?
彼がもとめているのは、お金を稼ぐことではない。多くの識者が指摘しているように、彼がもとめているのは、闘って相手を打ち負かすことだろう。
彼の宿命において基本的にお金は関係がない(禄の干=壬/癸がない)のだ。
彼の人生で最初の競争相手は、兄だった。気弱でやさしい兄に対して、彼は陸軍士官学校に入って闘争的な気質が開花、尊敬する父の信頼を得て1971年(辛亥)に跡を継いだ。
だが、父は成り上がりの不動産業者で、エスタブリッシュメント(支配階級)の人たちからは下にみられていたことから、闘争心に火がついて、彼らとは生涯闘うことになる。
そのとき出会ったのが弁護士のロイ・コーンで、彼から伝授された「攻撃」「非を絶対に認めるな」「勝利を主張し続けろ」という勝つための3つのルールは、その後の人生の指針となった。
そして、詐欺まがいの強引な手法でトランプタワーをはじめ大規模な開発を次々と行い、ホテルやカジノ、ゴルフ、航空と、積極的に異業種に参入して1980年代には一躍「時のひと」となる。
しかし、しばらくすると異業種の素人経営が次々と倒産して1990年代の前半には破産の危機に陥るが、銀行団との交渉で何とか乗り切り、後半には好景気もあって見事に復活を果たした。
そして、2004年1月(癸未)に人気テレビ・プロデューサーの目にとまり「アプレンティス」というリアリティ番組のホストになったが、これが大変な人気となり、You’re firedという決め台詞で彼の知名度は全米に広がった。
これを追い風に、2016年(丙申)の大統領選挙では泡沫候補の下馬評をひっくり返し、エスタブリッシュメントのヒラリー・クリントンを破って遂には大統領になるのだ。
さて、ここまでの人生を振り返って、改めて、彼がもとめているのは何だろう。
彼にとってビジネス(禄)は、闘って勝つための場所に過ぎない。彼が幼少期から変わらずもとめているのは、名誉(官)だろう。はじめは父の後継者の地位、つぎに不動産王、そして大統領というもっとも高い地位を得たいま、彼がもとめているのは、歴史に名を残すこと(Make America Great Again?ノーベル平和賞?)なのかもしれない。
運勢という点では、勝って名誉を得る/守るためには手段を選ばない(勝つための3つのルール!)という偏った生き方は宿命通り(殺印相生格)で、だから運が味方して勝てたのだろう。彼は、世間がイメージする「優秀なビジネスマン」というよりも「運のいい男」なのだと思う。
以上の見立てのもと、次回は彼の今後、次々回は彼をトップに抱く米国の今後を占う。
